歪みMANIA管理人の慎也(@ShinyaGuitar)です。
先日FRIEDMANのヘッドアンプであるBE-100をレビューをしたのですが、そのヘッドと最も相性がよく、そして今現存するキャビネットで最もビンテージマーシャルキャビネットに近いと言っても過言ではないキャビネットFRIEDMAN BE-412のレビューをします。
ギターサウンドを作る上で最も重要なのがキャビネット。どれだけ音を作り込んでも、音の出口がギターサウンドの全てを決めてしまうくらい大事なポイントです。
俺のメイン機材でもあり、最も気に入っているキャビネットです。
この記事は
- ビンテージマーシャルに近いキャビネットが欲しい
- 音が塊になりすぎず程よく散るサウンドが好き
そんなあなたに向けて書いています。
ビンテージマーシャルに最も近いキャビネット

FRIEDMANのキャビネットは上2発がセレッションのグリーンバック、下2発が同じくセレッションのビンテージ30で構成されたキャビネットです。
それ以外は目立った特徴はありません。
…いやマジでないんですよね。Bognerのキャビネットみたいに木が肉厚かと言われたらそうでもないし、作りがめちゃくちゃいいか?と言われたらまあ普通です。
重量感があるわけでもないし、カチッと決まってるわけでもない。だからあんまり気にしてなかったんですよね。
そんな時に、以前に70年代のビンテージのマーシャルのキャビネットを弾く機会があったんですよ。
まだグリーンバックが15wの頃で、それが4発搭載されたキャビです。見た目はボロボロだし、キャビを持ってみてもスッカスカだし。ディスってるわけじゃないけど、ぱっと見は今にも壊れそうなキャビネットで内心ちょっとだけ馬鹿にしてました。今思えばほんとすみませんって感じですが。
当時Bogner至上主義の肉厚サウンド大好き野郎だったのですが、そのマーシャルのビンテージキャビネットの音を出した瞬間心を奪われました。
ハイは確かにしっかりと出てるんですけど、痛すぎずきちんとキャビネットの鳴りで抑え込まれているんですよね。スピーカーも振動しているのですが、一緒にキャビも振動しているというか。
木が音を包み込んでいるかのような錯覚をするほどでした。
そして同時にミッドとベースの出方が最高に気持ちがいい。音楽的なギターが鳴っているという表現が一番分かりやすいかなと。そこには極上のトーンがありました。
当時はBognerの2×12をメインにしてたし、ビンテージ30のスピーカーが最高と信じて疑わなかったのですが、その概念がガラガラと崩れ去った瞬間でもありました。いかに自分の見識が狭いかを思い知らされましたよ。
その時の音を忘れられずに、なんとなく試奏したキャビネットがBE-412でした。
FRIEDMAN BE-412 キャビネット

もちろんビンテージキャビネットそのまんまではないですが、いろんなキャビネットを試してみてビンテージマーシャルのキャビネットに一番近いのはフリードマンのキャビだなと。
上2発のグリーンバックがハイからハイミッドにかけてのジャリっとしたサウンドと、下2発のビンテージ30のミッドからローミッドにかけてのギターの美味しいサウンドが合わさって、レンジが広くもまとまったサウンドになってくれてるんですよ。
まさにビンテージのキャビネットで感じた、痛すぎないハイに音楽的なミッドとローが出てくれる感じ。
クリーントーンはハイが綺麗に抜けてくれて、鈴鳴りのようなトーンがなってくれます。
歪みは上から下までバランス良く出てくれて、まさにスムースなサウンド。いや、スムースとかいう言葉を使うの嫌いなんですけど、それ以外に思いつきません。
適度に粘る中域に、耳が痛くない程度に綺麗に飛んでいってくれるハイ。
ビンテージ30を下に搭載したのが功を奏したのか、きちんとサウンドを支えてくれるロー。
めちゃくちゃバランスが良いし、音量を出しても腰砕けになる事がなくしっかりと支えてくれます。
90年代にビンテージ30とグリーンバックの掛け合わせが流行ってたらしい(先輩談)のですが、その理由もちょっと分かるなと。
ビンテージ30を4発載せるより、サウンドの幅が広がりますもん。
BE-100に限らず、オープンなサウンドのヘッドアンプを合わせるのであればBE-412がめちゃくちゃおすすめ。
キャビネットって音を決める一番大事なポイントなのに、ちょっと軽視されている感じがあるんですよね。4発を1人で運ぶのも大変だし運搬の都合があるのもまあ分かりますが…
ギターのサウンドってどれだけいいアンプを使っても、どれだけいいエフェクターをかましても、キャビネットがダメだったら全てが台無しになります。ちゃんと再生してくれないキャビネットを使うと、どれだけ頑張ってもそれなりのサウンドになってしまいます。
例えば俺みたいに、ミッドが肉厚すぎず、ハイエンドが綺麗に伸びたザクザクとした歪みが好きなのにBognerの2発キャビを使うなんてことをしてるとイメージとかけ離れたサウンドでストレスが溜まってしまいます。
実際にFRIEDMAN BE-100とBognerの2発を合わせて使ってたのですが、理想のサウンドにならずに気持ち悪かったんですよ。今思えばそりゃそうなんですけどね。
BE412と出会ってからBognerの2発キャビはすぐに手放してしまいました。

サウンドの指向性は上手に散る感じで、立ち位置を変えても音が大きく変わりにくいのかなと。
Bognerのキャビネットなんかは音が塊になって前にまっすぐドーン!と飛んでいく感じなので、キャビネットの前からちょっと外れると聴こえにくいのですが、フリードマンはモニタリングしやすいです。
もしかしたらマイクの乗りはBognerの方がいいかもしれませんね。
まとめ

個人的に大好きで、ほんと最高のサウンドを出してくれるFRIEDMAN BE-412のレビューをさせていただきました。
マーシャルのビンテージに一番近いなんて言ったら、マーシャル大好きおじさんに「マーシャルとは…」とツッコミを受けるかなーって思ったのですが、実際に弾き比べてそう感じたのでしょうがない。
確かにキャビネットは運搬も大変だし、家のスペースを取るので大変なのも分かりますが、騙されたと思ってFRIEDMANのBE-412はぜひ一度弾いてもらいたいです。特にマーシャル系のアンプを鳴らすのであれば、最高の1台になりますよ。
あなたの機材選びの参考になると嬉しいです。それでは!
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